身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「ごめんね、騒々しくて。あ、お昼に遼くんから連絡きて、結婚したって報告受けたよ」
「そう、それ訊こうと思ってたんだ。菜々恵が大丈夫なら、月と詩も連れて一緒に行く? 私、車出すし。車だったら子どもたちも連れて東京出れるかなって」
「ほんと? きょんちゃんが大丈夫なら行きたいけど。あと、おばあちゃんに聞いてみて」
そんな話をしていると、すでに近くにいたおばあちゃんは私たちの話を聞いていたのか「行っておいで」と声をかけてくれる。
きょんちゃんは「じゃあ決まり」とにこりと笑って話をまとめた。
「じゃあ、遼先輩に詳細聞いてみるよ。私なんかさ、部活のメンツでなんかやってくれって言われてんだけど」
「えー、そうなの?」
きょんちゃんは高校時代、遼くんの所属していた男子バスケットボール部でマネージャーを務めていた。
そんな関係もあって、未だに〝遼先輩〟と呼ぶのだ。