身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
『……うん。スケジュール確認したら、金曜は外せないオペが入っているけど、土日がちょうどオフだった』
「本当ですか? 良かった、タイミング良くて」
『それなら、土曜こっちに一泊して、日曜一緒に過ごせたらと思ったんだが、どうかな?』
「え、そんなに時間取ってもらえるんですか?」
『そんなにって、当たり前だろう。むしろ足りないくらいだ』
「嬉しいです。ありがとうございます」
次の予定が決まると、一旦通話には沈黙が落ちる。
話したいことが山ほどある。でも、何から口にすればいいのかわからない。
離れてからのこの時間のこと、一体どこから話していけばいいのだろう。
『でも……俺たちのところに来てくれたのが、双子だとは思いもしなかった』
水瀬先生も私と同じことを思っていたのかもしれない。
でもその中で、子どもたちが双子だったことを話題に出してくれた。
私もたくさん話したいことのうちのひとつにそのことがある。