身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む



『……うん。スケジュール確認したら、金曜は外せないオペが入っているけど、土日がちょうどオフだった』

「本当ですか? 良かった、タイミング良くて」

『それなら、土曜こっちに一泊して、日曜一緒に過ごせたらと思ったんだが、どうかな?』

「え、そんなに時間取ってもらえるんですか?」

『そんなにって、当たり前だろう。むしろ足りないくらいだ』

「嬉しいです。ありがとうございます」


 次の予定が決まると、一旦通話には沈黙が落ちる。

 話したいことが山ほどある。でも、何から口にすればいいのかわからない。

 離れてからのこの時間のこと、一体どこから話していけばいいのだろう。


『でも……俺たちのところに来てくれたのが、双子だとは思いもしなかった』


 水瀬先生も私と同じことを思っていたのかもしれない。

 でもその中で、子どもたちが双子だったことを話題に出してくれた。

 私もたくさん話したいことのうちのひとつにそのことがある。

< 158 / 246 >

この作品をシェア

pagetop