身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「じゃあ、順番に見ていきながらペンギンを見にいこう。月の好きなものが見つかるといいな」
それでも、漣さんは大人なの対応で月に声をかけてくれる。
順路を進みながら、どのタイミングで漣さんのことを子どもたちに話そうか、またひとり悩んでいた。
「ママ、きれいないろのさかな!」
せっかく連れてきてもらった水族館を楽しめなかったら……。そんな心配をしていたけれど、初めての水族館は月の心を無事弾ませてくれる。
目に映るものに次々と歓喜の声を上げ、覗いた顔は目がキラキラしていた。
いつの間にか私の手を離し、月と詩ふたりで手を繋いで水槽を見て回る。
そのうしろを、ふたりを見守りながら漣さんとついて歩く。