身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


 食事を終えると、ふたりと一緒にバスルームに向かった。

 広くて大きな大理石のバスルームに、ふたりはまた大興奮。
 はしゃぐ声がバスルーム中に響いて、さすがに「もう少し小さな声だよー」と注意してしまった。

 着替えをさせ、髪を乾かし、バスルームから出ていった時刻はちょうど二十時半。

 私たちがリビングルームへ戻ってくると、漣さんは主寝室のとなりの部屋から姿を現した。


「すみません、先に入らせていただきました」

「楽しそうな声が聞こえてきていたけど、お風呂は楽しかったか?」


 漣さんにそう訊かれたふたりは揃って「うん、たのしかったー」と答える。


「おうちのおふろよりひろくて、ぼこぼこあわがでてすごかった!」


 リビングのソファに置いておいたペンギンのぬいぐるみをすぐに迎えにいった詩は、バスルームの感想を楽しそうに口にする。

 同じようにソファにぬいぐるみを取りに行った月はソファによじ登り、ぬいぐるみを抱きしめて「ママ、眠い」と口にした。

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