身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
お風呂ではしゃいで出てくると、着替えて髪を乾かし始めたあたりから月はあくびをしていた。
濃厚な一日だった上に、普段よりも布団入る時間が遅い。眠くなるのも当たり前だ。
「こっちの寝室を三人で使うといい」
漣さんは「おいで」とふたりを呼び、主寝室に入っていく。
「え、でも、漣さんは?」
「俺はとなりの寝室を使う」
この客室に到着してすぐ、子どもたちに連れられ中をひと通り探検した。
リビングルームに、キングサイズのベッドが鎮座する主寝室。その他にもう一室シングルのベッドが入る部屋があった。
漣さんはそこでひとりで休むと言う。
「わー! おっきい!」
月と詩は広いベッドへと上がり、手足を伸ばして寝そべる。かと思えばころころ転がってみたりして、キングサイズのベッドを堪能している。
その様子を目に、そばで子どもたちを微笑ましそうに見守っている漣さんを見て、今が言うタイミングだと直感する。
「あのね、月と詩」と話を切り出した。