身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む



 翌朝。

 子どもたちは七時には目を覚まし、「ママー。おきてー!」と左右から私の目覚ましをしてくれた。

 ぼんやりしながらベッドを起き上がり、注ぎ込む朝日に引き寄せられるようにガラス窓に近づく。

 朝になって望める高層階からの景色はまた格別で、寝起きのぼうっとした頭は一気に冴えてスッキリした。

 夕食と同じように部屋でのルームサービスで美味しい朝食をいただき、ホテルをチェックアウトしたのは十時過ぎ。

 朝食のとき、漣さんが今日はどこに行きたいかと子どもたちに訊くと、詩は「ゆうえんち!」と答えた。

 昨日都内に向かう途中、きょんちゃんの運転する車から遠くに観覧車が見え、子どもたちが「あれなにー?」と訊いてきたのだ。

 遊園地の話をすると「いってみたい」と声を揃えて言っていたことを思い出した。

 漣さんは子どもたちの要望を聞き、田舎へ送り届ける前に数時間遊園地に連れていってあげたいと言ってくれた。

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