身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「すごい……こんな素敵な家に住むなんて信じられない」
呟くような私の言葉に、漣さんは「大袈裟だな」と微笑む。
「でも、気に入ってもらえたならよかった」
「気に入るも何も、感激の域です! 部屋の雰囲気もすごく好きな感じです。こういうナチュラルテイスト」
インテリアコーディネーターに任せたという室内は、家具はウッド素材のもので揃えられ、カラーはアースカラーでコーディネートされている。
ソファはオリーブ色、ラグはナチュラルベージュという、万が一子どもたちが汚しても掃除がしやすそうな色で配慮されていた。
観葉植物もところどころに置かれていて、心落ち着く空間だ。
「パパー、うたとつきのお部屋はどこ?」
「ああ、おいで。こっちだよ」
リビングを入ったすぐ左手のところにあるドアを開くと、そこは子ども部屋になっていた。
部屋の左右にベッドがひとつずつ、色で男の子女の子がわかるコーディネートがされていて、ふたりは教えられずも自分の場所だとわかったようだ。「ベッドだー!」とそれぞれ飛び込んでいく。
天井の照明が雲の形をしていたり、ガーランドが飾られていたり、居るだけで楽しい空間になっている。