身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む



 寄り添ってぐっすり眠るふたりの頬をさらさらと撫でる。

 ぽちゃっとしたマシュマロのようなほっぺはいつもすべすべで、触るとつい顔が綻んでしまう。

 ベッドはひとりずつ用意されているのに、ひとつのベッドで眠ってしまった月と詩。

 今日は新しい家に来て初めての夜だし、眠りにつくギリギリまではしゃいでいた。

 今晩はこのまま移動させず、ふたりで仲良く寝かせておこうと掛け布団を整える。


「月、詩……おやすみ」


 ベッドサイドの間接照明の灯りを落とし、子ども部屋をあとにした。


「眠ったか」


 リビングに漣さんの姿はなく、寝室のドアが少し開いているのに引き寄せられて中を覗くと、漣さんはベッドに横になり本を開いていた。


「はい。仲良く同じベッドで」

「そうか。これからは、俺も寝かしつけをしたい」

「漣さんがしてくれるんですか?」

「当直で夜空ける日もあるが、それ以外の日は代わろう」


 枕元に本を置いた漣さんが、「おいで」と私を呼び寄せる。

 掛け布団を上げ、自分の横へ入ってくるように招いた。

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