身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む
「どうした?」
努めて落ち着いた声で訊いた俺に、菜々恵は黙ったまま顔を押しつけた。
「……もう少し、漣さんとふたりでいたいなって」
そんな可愛いことを言われてしまえば、保っている理性はあっという間に吹っ飛んでいく。
振り向いて今度はこっちから抱き寄せ、耳元に唇を寄せた。
「そんなこと言われたら、止まらなくなるんだけど?」
試すように言うと、菜々恵は顔を上げて俺の顔をじっと見つめる。
「いいですよ」
そう言って、今度は正面から抱きついた。
そこからは互いに言葉も交わさず、示し合わせたようにベッドになだれ込む。
絡み合いながら衣服を脱ぎ捨て、生まれたての姿で素肌を重ねた。
「漣、さんっ……あっ、だめ──」
容赦なく恍惚とさせ、菜々恵の甘い声は止めどなく漏れていく。
横たわった俺の上で踊るように体をくねらせながら、ふと、子どもたちがいたらこんな風に乱れる彼女は見られないのだと気づいた。
この可愛らしい声も、そうそう聞くことができない。
「今は、子どもたちが入ってくることも、聞こえてしまうこともない。だから、存分に乱れて」
とろけた菜々恵の艶っぽい表情や声に幾度も昂りながら、ふたりだけの貴重な時間を堪能した。