身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「大丈夫か?」


 その様子に、すかさず漣さんが立ち上がる。私の元までやって来て、すぐにダイニングテーブルの椅子まで連れていかれた。


「はい、大丈夫です。ちょっと軽い立ち眩みが」

「立ち眩み? よくあるのか」

「いえ。最近は大丈夫でした。体質的に貧血気味と言われたことがあって。なので、それだと思います」

「そうか。貧血もひどいのは侮れないから。体調の変化があればすぐに知らせて。必要があれば投薬したほうがいい」

「ありがとうございます。すみません、心配かけて」


 旦那様がドクターだと、こういう時に心強いなと思いながら、少し休ませてもらうことにした。

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