身を引くはずが、敏腕ドクターはママと双子に溢れる愛を注ぎ込む


「ごめん。久しぶりに電話したらこんな話を……」

『何言ってるの。うちらの仲なんだから、謝ることじゃないし』


 受け止めるにも重すぎる内容なのに、きょんちゃんはいつも通りの様子で話してくれる。

 ひとりで途方に暮れていたところにきょんちゃんからタイミングよく連絡をもらえて、心底良かったと思えていた。


『でも、とりあえず病院に行ってちゃんと調べてもらうのが先だね』

「うん……」


 もしかしたら、一パーセントの間違いということだって絶対ないとも限らない。

 でも、病院に行って調べれば絶対の結果が出てしまう。


『で……もし妊娠してたら、相手の人にはどうするつもりでいるの?』

「えっ、どうするつもりって?」

『だって、菜々恵ひとりだけの問題じゃないでしょ? お腹に命が宿ってたら、どういう選択をするにしても相手にも責任を取ってもらうべきでしょ?』


 赤ちゃんがいるかもしれないということで頭がいっぱいで、そこまで考えが及んでいなかった。


 相手にも責任をって、水瀬先生に妊娠したことを話すっていうの……?

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