嘘をつく時の先輩の癖
　中学二年生の夏。ひそかに恋心を抱いている先輩に勉強を教えて貰える事になった。

　きっかけは、お兄ちゃんと会話をした時の、私の一言だった。

「ねぇ、私、頭悪いから高校行けないかもしれない」

「まじか？　大丈夫でしょ」

　その時は、それで会話は終わった。

　数日たった日、先輩が家に遊びに来た。そして、私が高校行けないかもって話題に再びなり、先輩は頭が良いって話になって、その流れで、勉強を教えて貰える事になっちゃった。

　彼は、高校一年生のお兄ちゃんの同級生でよく家に来ていた。人見知りな私が精一杯の笑顔を先輩に向けると、余裕な笑顔で返してくれる。笑顔だけで私をドキドキさせてくる先輩は、私から見たら、とても大人で完璧な人。

　でもね、彼の弱点？を知っちゃった。
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