嘘をつく時の先輩の癖
 いつものように、お兄ちゃんの部屋で勉強を教えて貰っている時だった。

 黒いテーブルの上に教科書とノートを開いて、私と先輩は向かい合わせに座り、お兄ちゃんはベットで本を読んでいた。

 お母さんが、カップケーキと麦茶を持って部屋に入ってきた。

「今、この子に勉強教えてくれてるんだよね! ありがとね。これ、甘いの食べられる? 大丈夫?」

「はい、大丈夫です! 甘いの好きです」

 その時、私は先輩の反応が気になり、じっと見ていた。私は見逃さなかった。

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