初恋びより
「藍川ー!!!」
勢いよく教室へ叫んだ。が、返事はない。
「あれ?藍川…?」
「沙由なら、さっき帰るって教室出てったよ?なんか落ち込んでたみたいだけど。」
「美津濃ありがと」
昇降口へ向かって走りだした。
「ちょっちょっとぉ!?」
藍川っ…間に合ってくれー!!!!
下駄箱に藍川の姿が見えた。
「藍川~!!!!」
「しゅっ秀ちゃん!?」
「ハアハア…ハア…」
藍川は驚いた表情でみている。
「どっ…どうしたの?」
「こっ…これ…ボ…タン…」
スッとボタンを差し出す。
ギュッ…
「へっ?」
差し出した俺の手をギュッと握る藍川。
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