初恋びより
「そんな怒るなよ」
金澤の言葉を無視しながらスタスタと歩きだす。
「一緒に教室行こぉぜ?」
「はっ?教室すぐそこじゃん!一人で行けよ」
「冷たいなぁ~」
そう言いながら腕を絡ませてくる金澤。
「俺を藍川だと思ってさぁ~」
「何処が藍川だよ!てめっ離せよ!気持ち悪いんだよ!」
「あ~ん冷たい~沙由泣いちゃうよぉ~?」
「勝手に泣け」
色っぽく声をだして藍川を真似る金澤が妙にムカつく。

バキッ…

「へ?」
何かを踏んだ感触。
「何?これ…」
学ランの…ボタン?
中学のか?
「しーらねっ」
ぽいっと窓の外に投げた。
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