モナムール
「……梓さん」
「な、に……」
「確かに手出したのは俺だけど。……明日の朝、覚えてないとか、そういうのナシだから」
「え……?」
「ちゃんと、しっかり覚えといて」
「……ああっ!……んん」
目の前が真っ白になるほどの甘い刺激に、意識を飛ばしそうになるものの。
「寝ちゃダメ。ちゃんと見て。俺の顔。全身で俺のこと感じてよ」
「め、ぐるくんっ……」
「そう、呼んで。もっと俺の名前呼んで。俺のことだけ考えて」
「めぐるくんっ……」
「フッ……いい子」
甘く激しい、長い夜。
私の目の前にはいつもの余裕なんて無くした廻くんがいて。
全身で私を求めてくれるその姿が、甘く私の名前を呼ぶその姿が。たまらなく愛おしいと思った。好きだと思った。
自分の気持ちがすとんと胸に落ちた時。
「梓さんっ……好き、大好きです」
廻くんからの確かな愛の告白に涙が出そう。
でも、ここで泣くなんてもったいない。
愛が溢れるその表情を目に焼き付けたい。もっといろんな表情を見せてほしい。
廻くんに身を委ねて廻くんだけを感じる夜は、幸せそのものだった。