モナムール
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喉が渇いて目を覚ました時、隣で穏やかに寝息をたてる廻くんの姿を見て思わず笑みが溢れた。
男性なのにお肌は毛穴一つ無くつるつるで、恨めしくなるほど綺麗な寝顔。
「すべすべ……」
呟いて、その頰に手を伸ばす。
すると
「……寝込みを襲うつもりですか?」
パチっと目を開いてニヤッと笑った。
「お、起きてたの?」
「ついさっき。梓さんの寝顔を堪能してたらモゾモゾしてたんで。寝たふりしたらどんな反応するかなぁって」
「寝顔を堪能って……」
いろいろと恥ずかしくてわなわなと震えていると、
「可愛かったです。すごく」
そう言って触れるだけのキスをした。
「ちょ、待ってよ」
「寝起きも可愛いですね」
「だから、そういうことサラッと言わないで……そもそもここどこ!?」
「ん?俺ん家です」
なんてことないように言うけれど、私は頭がついていかない。
「……まさか、忘れたなんて言いませんよね?」
「い、言わない。言わないよ。ちゃんと覚えてるよ」
「なら良かった」
覚えていますとも。あんなに甘く覚えていてと言われてしまったら、忘れられるはずがないじゃないか。
それにこのお互い何も身につけていない姿が全てを物語っている。
肌触りの良いシーツの上で布団を手繰り寄せながら昨夜の自分の言動と行動を思い出すと、普段からは考えられないほどの大胆さに顔から火が出そうなほどに恥ずかしい。
しかものこのこと廻くんのお家にまで着いてきちゃうなんて……!