大好きな君の観察記録
「「なに」」



お互い訝しげな顔をした。



「…見辛いから」



先に答えたのは風。

私はうぐっと言葉につまる。

そりゃそうだ。
と思った。



「こっこの映画見に行かない? 今度でいいから」

「あーこれ。CMになってるやつ」

「そう!」



どうかな,どうかな…と見上げれば,風はおもむろに片手をあげて

ーくしゃっ

と私の頭を撫でた。



「わっ」



と反応する私に対して,風は止めない。



「来てくれるの? くれないの?」

「ん。いく」



なでなで。



「もうっ。風ってよく私の頭撫でるよね。なんで??」

「あーーーーー。うん。撫でやすい位置にあるから」



なっ…!
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