暗黒ギフト1
健は慌ててその後を追いかける。


大きな玄関を入るとそこには大広場が広がっていた。


大広場の中央には二階へと続く階段が伸びていて、2階は廊下以外は吹き抜けになっていた。


高い天井からはシャンデリアが下がっていて、見ていて眩しいくらいだ。


こんな洋館映画の中でしか、見たことがない。


海斗と健は玄関先で呆然として立ち止まってしまった。


ここに玄関がちゃんと存在しているところだけは、日本家屋らしさが残っている。


ボーッと大広間を見つめていると、いつの間にかさっきの男がスリッパを持って来てくれていた。


毛がモコモコとしてとても気持ちよさそうだ。


「失礼します」


海斗はなんとなく男に一例してからスリッパを履いた。


思っていた通りモコモコで、足の裏がすごく気持ちいい。


それから右手にある客間に通されると、2人は革張りのソファに身を沈めた。


広さは20畳は余裕でありそうなくらい広く、壁際には暖炉や天井まで届く本棚、それに高級オーディオセットが置かれている。
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