暗黒ギフト1
「なにも変なものは入れていません。どうぞ召し上がってください」


さっきのメイドさんが2人の会話を聞いていたようで、クスクス笑いながら言った。


2人は同時に顔から火が出る思いだった。


耳まで真っ赤になりながらお礼を言い、クッキーと紅茶を口に運ぶ。


想像通り、どちらも絶品だった。


つい手が止まらなくなり次から次へとクッキーを口に運ぶ。


ものの5分ほどですべて食べきってしまった。


「ふぅ、美味しかった!」


「お腹パンパンだな」


ソファに背中をもたれさせて満足していると「それはよかったです」と、声がして顔を向けた。


いつの間にか黒スーツの男が戻ってきている。


その姿を見た瞬間2人は背筋をのばした。


美味しいものをお腹いっぱいに食べてくつろいで、自分たちの目的を忘れるところだった。


「今日はギフトについて聞きに来られたんですか?」
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