暗黒ギフト1
男は前のソファに座りながらそう聞いてきた。


「そうです」


海斗は真剣な表情になって頷く。


この秋吉家と海斗たちのつながりはそれしかないのだから。


「どうしてギフトを持ってくるんですか?」


「私はただある人に頼まれてギフトを運んでいるだけです」


「ある人に頼まれて?」


海斗と健は同時に眉を寄せた。


この男が自分の意思でやっていることではないらしい。


では、そのある人とは誰だろうか。


その人こそ、未来人なのかもしれない。


「はい。お会いになられますか?」


その質問には海斗は目を見開いた。


この男が下っ端だとすれば、相手はラスボスみたいなものだ。


そのラスボスに会えるんだろうか。


「もちろんです」


海斗が頷くと、男は音もなくスッと立ち上がった。


「ではご案内します。お嬢様のお部屋へ――」
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