暗黒ギフト1
☆☆☆

どうやら未来人は女性らしい。


男がお嬢様と言った時点で2人はそう理解した。


そしてこの男は屋敷に雇われているだけの存在だということもわかった。


男について階段を上がり、一番奥の部屋へと向かう。


ただそれだけなのに広い屋敷内だ、たどり着くまでに数分かかってしまった。


こんな屋敷内に暮らしていると、ただ生活しているだけでいい運動になりそうだ。


そんなことをボーッと考えている間に目的の部屋に到着していた。


男がスーツを引っ張ってシワを伸ばし、それから部屋をノックした。


その様子から男の緊張がこちらにまで伝わってきて、海斗と健は背筋を伸ばした。


お嬢様とは一体どんな人だろう。


脳内で中世ヨーロッパの服を着て大きなソファに分反り返って座る、傲慢な女性を思い浮かべる。


顔は吊り目で鼻はとんがり、いかにも性格が悪そうなタイプだ。
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