暗黒ギフト1
「お嬢様、お客様でございます」


ドアの向こうへ向けて声をかけると、すぐに「どうぞ」と返事があった。


その声は意外と涼やかでキレイなものだった。


そういえばギフトに入っている手紙の文字も、キレイだったなぁ。


そんなことを思い出している間にドアが開いていた。


中からラベンダーの香りがフワリと漂ってくる。


いい香りだな。


そう思って男に続いて足を踏み入れたとき、大きなベッドの上に座っている1人の少女の姿を見た。


少女は白いパジャマ姿で、そこから伸びている手足は恐ろしいくらいに細い。


小さな顔に大きな目。


唇は潤いを持ってぷっくりと膨らんでいるものの、頬は青白い。


想像していたいじわるそうなお嬢様とは大違いで、海斗は絶句してしまう。


なにより驚いたのはお嬢様が自分たちより幼く見えたからだった。


「こんにちは、2人とも」


少女は嬉しそうに挨拶をする。
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