暗黒ギフト1
そう思うと胸のあたりがチクリと傷んだ。


「2人共、私の予知夢に付き合ってくれてありがとう」


まだなにも言っていないのに梓からそう切り出されて、2人はすぐには返事ができなかった。


手紙を書いているのは未来人だと思っていたから、予知夢と聞いてもすぐには理解ができなかったのだ。


「予知夢って、未来に起こる出来事を夢に見ること?」


少し考えてから海斗が質問する。


梓は微笑んだまま頷いた。


「うん。こういうヤツだよ」


梓はベッド横にあるドレッサーに手を伸ばし、その中から数枚の紙を取り出して2人に見せた。


『○月○日、女子生徒が階段から落ちる。昼休憩中、3階の階段』


『✕月✕日、男子2人が大きな喧嘩、ケガをする。2時間目が終わった休憩時間中。廊下』


それらはすべて過去に学校内で起こった出来事だった。
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