暗黒ギフト1
この女子生徒はその真似ごとがしたいだけだった。


海斗は返事をせずにさっさと給食をもらうと自分の席へ戻った。


全員準備が整っていただきますと手を合わせてから、箸を手に取る。


「お願いだから問題は起こさないでよね」


メガネ女子がため息交じりにそう言った時、海斗はすでにご飯を口に放り込んでいた。


口がパンパンになるくらい次から次へとご飯をつめていく海斗を見て女子生徒は唖然とした表情を浮かべた。


それでも海斗はそんなこと気にならなかった。


誰よりも早く食べ終えてフラウンドへ向かうんだ。


そして女子生徒を救う。


頭の中はそればかりだった。
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