暗黒ギフト1
平均台は彼女らのふとももくらいまでの高さがあるけれど、ここから落ちても大怪我をすることはなさそうだ。


2人は大本命であるジャングルジムとすべり台とブランコが見える位置まで移動した。


その場所からだとどれも少し遠くなってしまうけれど、一気に全部見張るためにはここしかなかった。


今ジャングルジムには誰もいない。


滑り台は男子と女子合計5人ほどが順番に遊んでいる。


ブランコは男子2人が遊んでいて、女子と男子3人が順番待ちをしている状態だった。


と、そのときだった。


女子3人組がジャングルジムへと向かって行く姿が見えたのだ。


視線をそちらへ向けると、隣のクラスの女子たちであることがわかった。


5年生の女子たちは慣れた様子でジャングルジムを登っていく。


しかしその中で1人だけ少し危なかったしい生徒を見つけた。


あっという間にてっぺんまで登った友人2人に追いつこうと必死でジャングルジムを登っているが、高い場所が苦手なのか手足が震えているのだ。


登っていくスピードもすごくゆっくりで、友人2人が上から「がんばれ!」と、声を掛けている。
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