暗黒ギフト1
☆☆☆

教卓に立つ先生が今日の注意事項を説明している間、海斗は何度もアクビを噛み殺した。


母親に指摘された通り、昨日は夜遅くまでテレビゲームをしていて寝不足だ。


だけどストーリー性のあるゲームは続きが気になってなかなか途中で辞めることができない。


30分だけプレイして辞める友人もいるけれど、海斗には信じられないことだった。


どうせならキリがいいところまで進めたいと思うものだろう。


うつらうつらしている間に朝のホームルームが終わり、海斗は椅子に座ったまま大きく伸びをした。


ようやく少しずつ目が覚めてきた気がする。


さすがに授業中に堂々と眠ることはできないので、今の小休憩時間中に目を覚まして置かないといけない。


そう思っていると、友人の西村健がニヤついた笑みをたたえて近づいてきた。


「海斗、今日遅刻ギリギリだったな」


「あぁ。ちょっと寝坊したんだ」


「また通学班と一緒に来れなかったんだろ?」
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