暗黒ギフト1
☆☆☆

健も海斗もやる気まんまんだった。


昨日は女子生徒をケガから救うことができたのだ。


そのおかげでやはり未来を変えることができると判明した。


それなら今回だって大丈夫。


「でもさ、万引を止めることなんてできるのかな?」


休憩時間、ふいに海斗はつぶやいた。


その表情はどこか不安そうだ。


「なんだよ、今さら怖気づいたのか?」


「そうじゃないけどさ」


健の言葉にムッとして返す。


「ただ、万引するようなヤツてきっと、人に注意されたりしてもなにも感じないんじゃないかと思ってさ」


「あぁ~なるほど。要はどんなヤツが相手かわからないから怖いんだな?」


図星をつかれて海斗は面白くなさそうに頷いた。


だって、人のものを盗むヤツなんてまともじゃないに決まっている。


「大丈夫だって、だって今回は自分のクラスメートだってわかってんじゃん!」


健はそう言って海斗の背中をバンバン叩く。
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