暗黒ギフト1
☆☆☆

それからだ。


大田と秋田が飯田くんをイジメるようになったのは。


当時のことを思い出して飯田くんはきつく下唇を噛み締めた。


「僕は本当に2人が憧れだったんだ」


当時無視されたのが誤解だったと知った大田と秋田は目を見開いて驚いていている。


「だから、本当は僕は、2人と友達になりたいと思ってるんだ!」


拳を握りしめて叫ぶ。


そんな飯田くんを見て健と海斗は目配せをした。


飯田くんが今まで言えなかったことを2人に伝えることができた。


あとはきっとうまく行くだろう。


大田も秋田も根はいいやつだし、健に負かされた経験から自分たちの行動を改めるはずだ。


2人はそう確信して、そっとその場を離れたのだった。

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