暗黒ギフト1
飯田くんたち3人はちゃんと仲直りができたようで、翌日からはしょっちゅう3人で笑い合っている姿を学校内で見ることになった。


「深谷くん、西村くん、本当にありがとう」


飯田くんは2人に手作りのクッキーを持ってきてくれた。


口の中に入れてみたらほどよい甘さで、サクッと軽い歯ごたえがする。


「こんなのが作れるなんてすげーじゃん!」


2人とも素直に関心して、持ってきてくれたクッキーはあっという間に平らげてしまった。


飯田くんは照れ笑いを浮かべて、将来は男らしいパティシエになるのだと教えてくれた。


それからも海斗の家に暗黒ギフトは届き続けた。


クラスの集金袋がなくなる。


1年生があやまって倉庫に閉じ込められてしまう。


など、2人でどんどん解決していき、その度に英雄扱いを受けた。


お褒められることは嬉しかったし、人助けすると気持ちが良かった。


けれど2人の間にはギフトを受け取るたびに考えることができていた。


「ギフトの送り主って誰なんだろうな」


今日は給食に混入していた異物を発見した。
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