暗黒ギフト1
「さぁ……」


ここ最近2人が考えていることはギフトの送り主のことだった。


自分たちが問題を解決することで、2人のクラス内人気は爆発的に上がっている。


時にはクラスも学年も越えて声をかけられたりもするようになった。


ではどうしてギフトを送ってくる人間は、自分で解決しようとしないのか?


未来を予言することができるのなら、自分で問題を解決することもできるはずだ。


そうすればギフトを送ってくる本人が英雄になることができる。


「ギフトの贈り主は本当に未来人だから、姿を見せることができないとか?」


健の言葉に海斗は頷いた。


「それが一番現実的なんじゃないかな?」


未来人なんて非現実的なものを現実的と言うには少し抵抗があったけれど、一番無理なく考えられることだった。


ギフトと送ってくる本人が動けない理由として、ふさわしいと思う。


「今度、どんな未来人がギフトを持ってくるのか見てやらないか?」


「え?」


今までそんなことを考えたことは1度もなかった海斗は驚いて健を見た。


健は真剣で、本気で言っているのだということがわかった。
< 82 / 156 >

この作品をシェア

pagetop