暗黒ギフト1
☆☆☆

健ほど乗り気でない海斗はできればお泊りを反対されたかった。


明日も学校だからダメだと言ってほしかった。


しかし帰宅したときの母親の様子はやけにご機嫌で、今日これから健が泊まりに来ても良いかという質問に二つ返事でOKが出てしまった。


「お母さん、なにかいいことでもあった?」


「これよこれ、アプリのプレゼント応募で当たったのよ!」


そう言って見せられたのは高級食器セットだった。


海斗でも見たことのあるブランドもので、カップひとつで2~3万はする商品だ。


そんなものがセットで当選したのだから、機嫌がいいのも頷けた。


海斗は仕方なく健に泊まれることを連絡して、それから先はいつもと変わらないように過ごした。


健が止まりに来るからといってはしゃぎすぎていたら、怪しまれてしまう。


「いつも何時頃に届くんだ?」


夕飯もお風呂も終えて、後は寝るだけの状態で健と海斗は海斗の部屋にいた。


ベッドの下にスペースを開けて布団を敷いてある。


「わからない。俺が出かける時にはもう置いてあるんだ」


「お父さんもお母さんも気が付かないのか?」
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