暗黒ギフト1
「2人とも家を出る時間が遅いんだ。ゴミ捨ては回収の前日の夕方には済ませてあるから、いつも一番最初に家を出るのは俺になる」


「そっか。だから今まで両親に気が付かれることもなかったんんだな」


海斗は頷いた。


実はそこのところは海斗自身気になっていたところでもある。


もしもギフトに気が付いたのが父親や母親だったとしたら?


きっと2人共なにかのイラガラセかイタズラだと思って相手にしないはずだ。


実際、海斗自身も最初はイタズラだと思っていた。


「書いている内容は小学校で起こることばかりだし、俺たち家族が家を出るタイミングを知ってるようにも思えるよな」


海斗がそう言うと、健がパンッとひとつ手を打った。


「ってことはギフトを持ってきている未来人は海斗の可能性が高いな」


海斗は目を見開いて自分を指差した。


「俺?」


「あぁ。考えてみれば当然だよな。海斗自身が送ってきているとすれば、小学生の海斗が問題を解決してくれることもわかってるしな」
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