暗黒ギフト1
ギフトの送り主にこちらの姿を見られないようにするためだ。


健は黒いスウェットを寝間着代わりに持ってきていたから、そのままの格好で外へでるらしい。


今から両親が沖合してくる朝6時まで外の茂みの中で見張りをする予定だ。


2人は昨日のうちに用意しておいたペットボトルのお茶と小さめのライトを手に玄関を出た。


外はまだ真っ暗で、空には星がまたたいている。


夏と言えど夜は涼しくて、茂みの中に隠れていても暑苦しくない。


「未来人を見てどうするつもりだ?」


海斗が聞くと健は「追いかけるに決まってるだろ」と、即答した。


「追いかけるだって?」


「あぁ。その先になにがあるか見てみたいだろ? 宇宙船とか、俺たちには見えない家とか、あるかもしれねぇじゃん」


健の声はウキウキしていて、これは途中で止めてもダメだと感じた。
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