暗黒ギフト1
悪い気はしなかったが、やっぱりくすぐったい気持ちになる。


「あの、ちょっと相談があって」


手紙を見せれば今までのことも、この手紙のおかげだったのだとバレてしまう。


そうすると自分たちのしたことの良さが半減してしまうような気もしていた。


だけど今回は迷っている暇はなかった。


大きな事故が起こるかもしれない。


死者も出てしまうかも知れない。


そう思うと、ちゃんと担任に話す気持ちになれた。


「こんな手紙を受け取ったんです」


海斗から手紙を手渡された担任はザッと目を通しただけで険しい顔つきに変わった。


「なんだこれ。どこで受け取ったんだ?」


「玄関先に置いてありました。あの、それで、実は……」


海斗は今までも同じように手紙を受け取り、その内容の通りの問題が起こっていたこと。


事前に問題が起こることを知っていたからこそ、ヒーローになれたのだと言うことを説明した。
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