暗黒ギフト2
廊下には誰の姿もなく教室のドアはしっかり閉められていて中から見られる様子はない。


それを確認して2人はトイレからそっと抜け出して家庭科室のある1階へと移動を開始した。


できるだけ足音を立てないように、すり足のような感じて廊下を走り抜ける。


階段は1段飛ばしで駆け下りていくけれど、足音を立てないように最新の注意を払った。なにせここで誰かに見つかれば計画は台無しだ。


家庭科室で起こる火事を止めることができなくなってしまう。


病床の梓が懸命に2人に伝えてくれた予知夢を、もう無駄にしたいとは思わなくなっていた。


今朝男の話を聞いたときから、梓にとって自分たちがどれほど大切な存在なのか思い知らされた気分だった。


そうこうしている間に右手に家庭科室が見えてきた


家庭科室のドアは開け放たれていて、2人は手前で立ち止まって身を低くした。


中からはすでにいい香りが漂ってきている。


今4時間目だから、これを昼ごはんとして食べる予定なのだろう。


顔だけのぞかせて中の様子を確認してみると、そこには見知った生徒たちの姿がった。


「4組の生徒たちだ」
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