暗黒ギフト2
「どうした?」


「みんな4人組の班で料理をしているのに、1人で作ってる子がいる」


海斗は簡潔に説明した。


それぞれの役割分担を決めて作業している中、その子だけ1人で作業をしている。


そのため右往左往しているように見えたのだ。


「なんでだ」


「さぁ?」


海斗にも理由はよくわからない。


1人だけ班の人数からあぶれているのなら、どこかに入れて貰えばいいだけだ。


なんにせよ複数の料理を1人で一気につくるなんて無理なことだった。


女子生徒は今揚げ物をしているが、油が熱されすぎているのかひどい音がここまで聞こえてくる。


女子生徒はその音にびっくりして油から身を遠ざけた。


「おい、あの子って亮子ちゃんじゃないか?」


身を乗り出して教室の中を確認した健が驚いた声をあげる。
< 103 / 176 >

この作品をシェア

pagetop