暗黒ギフト2
☆☆☆

2人の活躍は再び学校内で有名になった。


廊下を歩いていれば先輩後輩関係なく声をかけてくれる。


それに応じながらも、2人は少しも晴れ晴れとした気分にはならなかった。


「あの火事、どう思う?」


放課後になって健が海斗の席までやってきてそう聞いた。


「うん。なにかおかしいと思う」


あの後先生に聞いた話によれば、亮子の班だけ偶然1人になってしまったのだと言った。


他の生徒たちは先生に作り方を教わるために、少しの間移動していたのだ。


その間に起きた事故だったらしい。


「でも、そんなことってあるか?」


「ないよな、普通」


健の言葉に海斗は真剣な表情で答えた。


あんなふうに火を使う場合、先生に質問があるとしても1人ずつ移動するはずだ。


それなのに亮子は1人きりになっていた。
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