暗黒ギフト2
ずっと見ないふりをして来たけれど、梓はこんなにも痩せてしまって、それでもまだ頑張り続けているのだ。


「ずっと来なくてごめん」


声がかすれてしまった。


これじゃ本当に申し訳ないと思っているのか怪しまれてしまう。


そう思ったが、梓は笑顔で左右に首を振った。


「大丈夫だよ。海斗くんも忙しかったんだよね?」


そう聞かれて海斗は曖昧に頷いた。


きっとお見舞いに来ない海斗のことを、健がいいように説明してくれていたのだろう。


黒スーツの男はそれが嘘であると見抜いたけれど、梓は今でも信じてくれているみたいだ。


そう思うと申し訳さなで胸がいっぱいになる。


「あの、その呼び方って……」


「あ、ごめんね。勝手に海斗くんとか呼んじゃって」


「ううん。そっちの方がいい」


初めて呼ばれたときはちょっとドキッとしたけれど、名字で呼ばれるよりも嬉しかった。


「私のことも呼び捨てにしていいからね」
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