暗黒ギフト2
ゆっくり休んでもらおうと思って梓に背を向ける。


その時腕を掴まれて海斗は振り向いた。


見ると梓が海斗の腕をしっかりと掴み、うるんだ瞳を向けている。


その目に海斗の心臓がドキッと跳ねる。


「また来てね?」


「あぁ……絶対に来るよ」


海斗は自分の腕を掴んでいた梓の手を握りしめる。


その指先はやはり細く痩せていて、今では骨と皮だけになっているようだ。


それでも海斗はその手を愛しそうに撫でた。


「ありがとう。楽しみにしてるね」


梓はそう言うと、そっと目を閉じて眠り始めたのだった。
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