暗黒ギフト2
「何度電話そしても出てくれないの」


それは一体どういうことだろう?


付き人としての仕事をしていないということは、給料にも影響が出てきてもおかしくないはずだ。


それなのに梓からの連絡を無視するなんて、ちょっと考えられない。


「なにか心当たりは?」


海斗がそう聞くと、梓は一瞬視線をそらして下唇を噛み締めた。


なにか思い当たるところがあるみたいだ。


「ちょっと前にね、私言っちゃったの」


「言ったって、なにを?」


聞くと梓は一呼吸を置いた。


2人に話していいものかどうか悩んでいるようだけれど、相談をもちかけたからには話す必要があると判断したみたいだ。


「私なんかの世話は、もうしなくていいよって」


その言葉に海斗も健も目を見開いた。


「どうしてそんなことを?」


海斗が聞くと、梓は目に涙を浮かべて「だって、もういつ死ぬかわからないし」

と、勢いよく答えた。


その言葉に海斗も健も黙り込み、重たい沈黙が病室に立ち込めた。
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