暗黒ギフト2
梓の言った言葉はきっとここにいる全員が1度は考えたことだった。


梓の命は残り少ないのではないかと、みんなが感じていたことだった。


でも、それを本人の口から聞くと衝撃的なものだった。


胸の奥で大きな爆弾が爆発してしまったかのような衝撃を受けて、海斗は黙り込む。


誰もなにも言わない時間が続いた。


10分、15分。


体感的には何時間にも感じられるくらいに長かったけれど、実際にはほんの数十秒だったかもしれない。


「それでも、まだ梓ちゃんは生きてるだろ」


小さな声で言ったのは健だった。


その声はかすれて震えている。


ハッとした様に梓が顔を上げた。


「生きている限り、あの男は梓ちゃんの付き人だ。だから、梓ちゃんの連絡に出ないのは付き人として失格だと思う」


あくまでもそれは男を責める言葉だった。


梓の言葉に否はなかったと告げたいのだろう。


「そうだよ。あいつがそういう態度を取るなら、今度は俺たちが毎日でもお見舞いに来るよ」
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