暗黒ギフト2
「そうみたいだな」


健もホッとしている様子だ。


「箱を開けてみるぞ」


そう言って箱を開けて手紙を取り出す。


手紙の文字は間違いなく梓のものだった。


『女子生徒が川に落ちる』


その文字が目に入った瞬間海斗は呼吸が止まるかと思った。


川での事故は毎年何件が起こっているけれど、今の時期はまだ早い。


たいてい夏休みなどの長期休暇で起こっていることだった。


「川の事故か……」


健も難しそうな表情を浮かべている。


一言川の事故と言っても学校付近に大きな川は2本流れている。


そのどちらで事故が起こるのかわからないことには、助けることは難しいだろう。


「川の名前が書いてある」


海斗は手紙の続きへ視線を向けて言った。


幸い川の名前と時間も書かれている。


川は学校から一番近く、そして一番大きな川。


時間は放課後での出来事だった。


これなどうにか助けることができるかもしれない。
< 131 / 176 >

この作品をシェア

pagetop