暗黒ギフト2
一縷の望みが出てきた気分だ。


「でも川のどこなのかがわからないな」


横から手紙を見ていた健が呟く。


たしかに、川の名前は書かれていても詳細な場所までは書かれていない。


川は長く、河川敷もあれば橋の上から落ちてしまうなんてこともあるかもしれないのだ。


様々なシチュエーションが考えられる。


「確か、通学路であの川を渡ってくる班があるよな」


海斗は記憶をたどり寄せながら呟いた。


放課後ということは学校帰りだろうし、だとすれば通学路を通って帰るはずだ。


あの橋を渡って帰る途中で川に落ちるというシチュエーションが最もしっくりくる。


「でも、あそこは高い手すりがあるよな。川に落ちるためにはあそこを乗り越えないといけない」


健が指摘する。


確かにそうだった。


小学生の通学路になっていることもあり、橋から川に落ちないようにしっかりと手すりが付けられている。


低学年の身長よりも高いから、簡単に乗り越えることは難しそうだ。


「そうなると、河川敷で遊んでいて流されるってパターンかな」


自分で呟いておいて、最もそれが現実的であるような気がした。
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