暗黒ギフト2
☆☆☆

放課後に起こることばかりを考えていると、あっという間に放課後が訪れてしまった。


今日1日どんな授業を受けてきたのか思い出そうとしても難しい。


2人の頭の中には放課後のことしか入っていなかった。


「お前ら2人共、今日はどうしたんだ?」


放課後になって教室から飛び出したところで、担任教師に呼び止められた。


担任は呆れ顔をしていて、今日1日2人共勉强に身が入っていなかったことに気が付いていた。


どんなことでもよく気がつく、先生としてはとても優秀な人だと思う。


けれど今は担任に引き止められている暇はなかった。


2人は「先生さようなら!」と大きく手をふり、その横を駆け抜けた。


「あ、お前ら!」


担任が後方から引き止めて来ようとするけれど、それを無視して一気に階段を駆け下りる。


廊下を走るな! と、どこからか声が聞こえてきたけれど、それも無視した。


一目散に昇降口までやってきて、靴を履き替えるのももどかしい気持ちで外へ飛び出した。


「川の流れが早いな」


橋まで止まらずに走ってきた2人は、ようやく足を止めた。


橋の中央から川を見下ろしてみると、海斗が言ったとおりいつもよりも川の流れが早いように見える。
< 134 / 176 >

この作品をシェア

pagetop