暗黒ギフト2
雨が振った様子はなかったけれど、川の水位は日によって全然違うみたいだ。


これなら生徒1人が流されても不思議ではないかもしれない。


そう思い、海斗は周辺へ視線を走らせた。


ここは小学校の通学路にもなっているので、今の時間帯行き交う生徒たちが多い。


「低学年の姿がないな」


ふと気が付いて健が呟く。


「1年生と2年生は1時間早く帰るだろ」


今日は授業の本数自体が1本少ないのだ。


「そういやそうだっけ」


となると、川に流されてしまうのは3年生以降ということになる。


しかし、見ている範囲では手すりによじ登ったり、危険なことをしている生徒の姿は見えない。


この橋を渡る時には気をつけるよう、日頃から先生たちに言われていて、生徒たちもそれを守っている雰囲気だ。


「河川敷に降りてみるか」


「そうだな」


2人は頷きあい、階段を降りて河川敷へと向かった。


河川敷はコンクリートで舗装されている場所と、芝生が植えられていてちょっとし
た広場になってる場所がある。
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