暗黒ギフト2
しかし亮子には見えていないようだ。


間に走っている川が思ったい上に大きい。


「向こう側に移動したほうがいいかもしれないな」


海斗の提案に健は頷き、2人はすぐに移動を開始した。


帰宅途中の生徒の流れを逆走して、河川敷の向かい側へと急ぐ。


亮子がいる方の河川敷はあまり手入れがされていなくて、草木が2人の胸の高さまで伸びている。


「亮子!」


声をかけながら草木をかき分けて進んでいくが、さっきまで見えていた亮子の姿が見えなくなっている事に気がついた。


「どこに行った?」


「わからない」


ついさっきまで亮子が立っていた場所に立ち、呆然と立ち尽くす2人。


まさかここまで来るまでにすでに……。


そう考えた瞬間だった。


ザパンッ!
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