暗黒ギフト2
「え……」


亮子は本当になにも知らなかったようで唖然としている。


「それなら捜し物に付き合えなんて嘘つかなくてもよかったんじゃないのか? どうして人が呼んでるって素直に言わなかったんだ?」


もしかしたら、亮子をここへ呼び出した人物が川に突き落としたのかも知れないのだ。


「そ、それも言うなって言われてたの」


カナが怯えた様子で健から離れる。


健は大きくため息を吐き出した。

「もしかして、家庭科の授業のときも誰かになにか言われた?」


亮子とカナは家庭科の授業でも同じ班だと言っていた。


それなら、なにかあってもおかしくはない。


カナは気まずそうに視線をそらしたが、この状況では逃げられないと悟ったようで小さく頷いた。


「家庭科の授業中に班から離れろって言われた」


「誰に!?」


海斗の声がつい大きくなる。
< 144 / 176 >

この作品をシェア

pagetop