暗黒ギフト2
「知らない人」


「知らない人? そんなわけないだろ。お前は知らない人間の言うことをなんでも聞くのか?」


健からの質問にカナはキュッと唇を引き結んだ。


今にも泣いてしまいそうな表情になって健をにらみつける。


「手伝ってくれたらお金を渡すって言われたの」


「お金?」


ますますわからない。


誰かが亮子を陥れようとして言えることは事実だとしても、それは同年代の子供じゃないんだろうか。


お金にものを言わせて子供を従わせるなんて、人としてどうかと思うが。


「うちの家、お父さんがいないから……」


カナが消え入りそうな声で言う。


「それで金を貰って亮子を殺そうとしたってことか」


健の言葉にカナはハッとして顔を上げた。


「殺そうだなんて思ってない!」


確かに、カナからすれば家庭科の授業で班から離れただけ。


亮子を河川敷に誘導しただけということになる。
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