暗黒ギフト2
「でさ、今日ちょっと深刻なこともあったんだ」


健が楽しい話をしてくれて散々笑った後、海斗は少し深刻そうな表情を浮かべた。


「なに?」


梓は首をかしげて聞く。


先に沢山笑わせてもらったから、どんな話しを聞いても大丈夫だと、ベッドの上で居住まいを正す。


「実は……」


海斗がおずおずと今日の出来事を話してきかせると、元々青白い顔をしている梓は更に顔を青くした。


さっきまでの笑い声は鳴りを潜めてしまい、やっぱり伝えるべきじゃなかったかもしれないと後悔した。


しかし梓は最後まで話を聞いてくれた。


「そんな、亮子が……」


その反応に海斗と健は目を見交わせる。


ずっと病気をしていてあまり学校に来れていない梓は、友人がいないと言っていた。


「亮子のことを知ってるの?」


聞くと、梓は小さく頷いた。


「前に話したよね、転校生をイジメていたときのこと」
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